のけもの2巻乙同盟

本ブログでは、まんがタイムきらら系列の2巻乙作品を扱います。

心に残る2巻乙の名ゼリフ22選

こんにちは、Ram助です。毎年2月22日は2巻乙の日(私が勝手に決めた)。ということで、2巻乙の作品紹介記事を書きました。
ただ紹介するのは「2巻乙ノススメ」でやっていることなので、今回は2巻乙の「名ゼリフ」にスポットを当てて紹介します。

※この記事には、作品のネタバレを含むものがあります。

おもしろ系

読んでておもしろい・思わず笑ってしまうセリフをチョイス。

「2巻乙程度はいけると思ってたんですけど~~!!!」(大宮司菊野 – 『きらりブックス迷走中!』)

文芳社に漫画持ち込みしたがボツになった菊野が放ったセリフ。
2巻乙が2巻乙を言及する究極のメタゼリフ。
それを聞いたきらりは「そこはかとなくなめてませんか~~??」と(キレ気味に)言っている。2巻乙といえど商用雑誌に連載していたことは間違いなく、それを「程度」というのはやはりなめていると私も思う。

「超絶級可愛組合案件突発的顕現 我失正気眼鏡爆発」(あいまり – 『謎のリリリス』)

リリスとシフォン(猫)が戯れる姿を見たあいまりが、あまりの可愛さに眼鏡を爆発させたときのテロップ(?)
唐突にセリフ(?)が漢字だけになるという意味不明さ。「謎」を冠する本作らしい一幕。

「質問はきいてない 返事は?」(稲葉 奈々 – 『なきむしステップ』)

クラスの男子・杉原くんと付き合ってる本作の主人公・奈々。しかし鈍感な杉原くんは恋愛的な「好き」に長らく気づけなかった(ケンカ→仲直りでようやく実感した)。今まで恋愛感情を向けられていなかったことにショックを受けた奈々は、これまでの分のお返しを杉原くんに迫る。
タイトルに「なきむし」とあるように、気弱な性格が多く描写されている彼女の意外な一面が見れるセリフ。

コーヒーゼリーはうまい」(七瀬 六花 – 『放課後すとりっぷ』)

後輩の悩み相談に乗ったら、相談内容のカオスっぷりにお手上げ、というモノローグに挟まれたシーン。
前後の内容と全く関係なくぶち込まれたシーン。若鶏にこみ先生の独特なセリフ回しが光る。
ちなみに、このシーンで登場したコーヒーゼリーのモチーフは、コメダだと思われる。

「立ち読もう」(貰鳥 あむ – 『ホレンテ島の魔法使い』)

ホレンテ島の歴史を知るために都橋書店に立ち読みに行こうというかるて。「普通に買えばいいじゃない」というあむ。その手の本がン万円するというかるての言葉を聞いた際に放った一言。
「立ち読み」+「する」を一つの動詞にしてしまう作者のセンスに脱帽。本作は細かな設定や綿密な伏線が注目されるが、こういったギャグやセリフ回しも魅力的。

seiga.nicovideo.jp

「私以外のマグロと私以外のマグロを食べようなんて…ダブル浮気です!」(まぐろ – 『マグロちゃんは食べられたい!』)

みさきがクロ(クロマグロ)と一緒にマグロ丼を食べようとしたところを目撃したまぐろのセリフ。
本作は「マグロの擬人化」という設定を活かした狂気じみたセリフが数々出てくるが、その中でも一際ヤバいのがこれ。今後一生お目にかかれないセリフだと読んでて思った。

やさしい系

辛いときに励ましてくれる・背中を押してくれるやさしいセリフをチョイス。

「大好きなモノがあるってとても素敵なことよ!」(芽出知 桃花 – 『夢見るルネサンス』)

キュンプリ(ニチアサ系魔法少女)が好きなことを隠している・鳥居レンと、UMA大好きお嬢様・芽出知桃花。レンは自分がキュンプリ好きなことを桃花に知られた(知られていた)ことに気づいて大慌て。そんなレンに対して桃花が放ったセリフ。
私自身マイナーなモノ大好きの偏屈人間だけあって、この一言に大きく励まされる。

「思い出の手作りっしょ? 自分でやんなきゃ意味ないじゃん」(周参見 陶子 – 『下を向いて歩こう』)

シエルが持ってきた貝殻の処理方法を実践して教えるすさみん。上記のセリフを言った後、残った貝殻の処理をシエルに任せる。この気遣いにシエルは「やさしい」と発する。
手取り足取り教えるだけでなく、経験を積ませるのもやさしさの形。きららのテーマの一つである「やさしさ」に一歩踏み込んだセリフ。

「人間をなめるな 魔法使い」(宇佐神 茜 – 『となりの魔法少女』)

元きらら系ライター・ましろさんがお気に入りのセリフ。
願いを込めて指を振れば願いを叶えられる魔法少女・羽根井あき。あきは友達の宇佐神茜の弟・夕が、過去の事故で植物状態になっていることを知り、「魔法で治す」ことを提案する。しかし、「魔法で作られたものは決して本物にはなれない」という性質があり、魔法で回復した夕が茜の知る夕なのかはわからない。そんな危険な提案をしたあきに対して茜が放った一言。
夕を想う茜、茜を想うあき、やさしさがぶつかり合った結果互いに傷ついてしまった。優しくも少しだけ切ない本作を象徴するセリフ。

かっこいい系

言われたら思わず惚れてしまいそうなセリフをチョイス。

「愛想いいヤツが「いいヤツ」って訳でもないだろーに」(毬虎 – 『超級龍虎娘』)

お見合いで顔合わせした毬虎と景虎。気を使いすぎて自身を卑下した景虎に対して毬虎が放った一言。この一言で、景虎は毬虎に惚れたようだ。
ギャグ主体の本作だが、人情系のシーンも結構多い。

「今日は映画を見に来たんじゃない 桔梗の笑顔を見に来たのさ☆」(川崎 芹菜 – 『青春過剰Sisters』)

映画デートに行く桔梗と芹菜。しかし、桔梗は妹・撫子の授業参観日と被ってしまい気が気でない様子。そんな桔梗の様子を察した芹菜が映画のチケットを破ってこの一言。その後二人で撫子の参観日に向かう。
普段は変態ムーブ全開の芹菜のカッコいいシーンとして印象に残る。

びっくり系

世の中の核心を突いたような、読んでてぎょっとするセリフをチョイス。

「それに人間誰しも少なからず変だから」(前谷 千鈴 – 『ササエルの中には誰もいない』)

おつかいがうまくいかない常子を励ます千鈴が、(変人の幼馴染を見ながら)最後に加えた一言。
「少し変わってるけど良い子」が揃った本作を象徴するセリフ。
ちなみに、このセリフが一番刺さるのは千鈴本人。常識人ぶっておいて時折ヤバい言動を見せる彼女にピッタリ。

無人島で「値段」とか 一番意味のないことだわ」(泉 涼音 – 『ゴスロリJK無人島漂流記』)

涼音お嬢様が持っていた高級茶葉を使おうとしたとき、それを引き留めようとした姫野に対して言ったセリフ。
お嬢様の懐の深さと、無人島の核心、双方を表したセリフ。

「スキップやリバースだけではあがれないのよ!?」(さっこ – 『ソラミちゃんの唄』)

4人でウノしながら将来について語り合う中、ネモが現実逃避さながらスキップやリバースのカードを連続で出す様に対する反応。
ウノも人生も先送りしてばかりでは進めない。友達とウノをするという何気ないシーンに、将来の選択を重ねた、本作らしいセリフ。

「描きたいものと…描けるものは違う…」(石刈場 – 『まんが家cherry!』)

恋愛漫画を描きたい桜井春香に対して、「ギャグ漫画を描いてこい」という担当編集者の石刈場さん。突然の要求に戸惑い思い詰める春香に対して、石刈場さんが編集者として放った一言がこれ。その後、春香は自分の漫画を見つめなおし、石刈場さんが自分の着ていた服を破くほど絶賛したギャグ漫画を描くことができた。
「好き」と「得意」は必ずしも一致しない。漫画家に限らず、自分を見失ってる人に届けたい一言。

「人の人生を不幸って決めつけてんじゃねーよ!」(西條 リリカ – 『リリカお嬢様に振り回される!』)

脚が不自由なお嬢様・リリカと使用人の永野。休暇を貰うことになった永野に代わり、中村さんというヘルプの使用人が来た。中村さんはリリカの境遇に「不幸な中でもめげないで偉い」とお節介をかけるが、それが逆にリリカの癇に障った。
人を憐れむ・同情することが必ずしもその人のためになるとは限らない。ましてや「不自由=不幸」と決めつけるのは、むしろ失礼にあたる。「五体不満足」というきららでも異質なテーマに挑戦した本作を象徴するセリフ。

「すきなことをしごとにするにはそういうこととおりあいをつけないとつづけられないの」(マリー – 『シロクマと不明局』)

ハロウィンの衣装を作るマリー。チエコは衣装の出来の良さから「こっちを仕事にすればいい」と提案するが、その際にチエコに返したおとなのいけん。
幼児の見た目をしたマリーから、おとなのいけんが聞ける。

「クロールの教え方を教えてください」(真田 晶 – 『ウォーターガールズ』)

後輩にクロールを教えるも、ついスパルタになってしまい上手くいかない晶先輩。後日、コーチにクロールの教え方を習い、後輩に合った教え方ができるようになった。
先輩・上司など、上の立場にいる人ほど、プライドが邪魔して他人に頼ることが難しく感じてしまう。時にはプライドを捨てて他人に頼ることも大事だよ、と背中を押してくれるセリフ。

「音楽に資格なんていらねえんだよ」(鐘町チズ – 『ハルメタルドールズ』)

軽音部とストリートライブ勝負をすることになったチズ達。メタルチズの覚醒により観客を巻き込んで騒ぎ出す。そんな状況に軽音部の部長が「こんなの音楽じゃない」「君たちに音楽をやる資格なんてない」というと、メタルチズが対抗して上記のセリフを言う。
きららでも音楽漫画は『ソラミちゃんの唄』『Dead or LIVE!』『ウィーンで歌ってみて』『それでは、すてきなセッションを。』など数多く存在し、そのどれもが「音楽とは何か」を各々の形で問いている。本作もその一つ。

その他

イロモノセリフ、揃えました。

「わたしはこういう枠には入れないしね」(ハカセ – 『メールブルーの旅人』)

学校の世界で学生生活体験を楽しむAI・クマノミ…を傍観するハカセのモノローグ。
メールブルーの世界に住めるAIとそうっではないハカセ自身の隔たりを表すセリフ。4コマ漫画の構図を活かした隔たりの表現も併せて印象に残るシーン。

「漫画のキャラでも命ってあるのかな?」(桃紋寺 ぽえむ – 『ペンにまします神サマの』)

神様のペンにより漫画の中から現実に飛び出してきたキャラ・桃紋寺ぽえむ。自身の存在に疑問を持ったぽえむは、おもむろに包丁を自分に向け、上記の一言を発する。
「漫画の中からキャラが出てくる」作品の中でも一筋縄ではいかない本作。開幕4話(連載1話)で早くも異彩を放つセリフ・シーンが印象に残る。

「大丈夫! セレニは安心して死んでいいよ! お姉ちゃんが死霊術師になって必ず蘇らせるから!」(ソレイユ・アプリコート – 『やさしい新説死霊術』)

死霊術師を目指す少女・ソレイユ。その理由は難病を負った妹・セレニを助けるため。しかし、その手段は「一回死なせて蘇らせる」というあまりにも歪んだ考えだった。
狂気を感じる2巻乙といえば『双角カンケイ。』や『サジちゃんの病み日記』などが有名だが、このセリフも中々に狂気じみている。

参考サイト

www.mashiro-writer.com